10月1日から各社より販売されている一部の加熱式たばこが1箱20~40円ほど値上がりします。値上げの主な要因はたばこ税の増税です。
私は基本的にたばこ増税に反対。しかし、その税収が貴重な財源としてさまざまな公共事業に使われ、国民の暮らしに還元されている事実を考えると、正しく使われているのであれば全面的にやめよとも言いがたい。ただ、喫煙者側の感覚が相次ぐ値上げで鈍磨し、ある種のあきらめの境地に至っている、というのが現状ではないでしょうか。
日本の喫煙者数は人口の約2割で、その数が年々減っているにもかかわらず、増税を繰り返すことで毎年約2兆円もの税収を四半世紀も維持しています。
喫煙者漸減(ぜんげん)の主な要因は、増税よりも喫煙者に対する風当たりの強さ、窮屈な空気感の方が大きいと感じています。無駄や不浄というレッテルを貼りやすい喫煙者に対する排他的な世論が、喫煙者数の押し下げ要因として働いているのではないでしょうか。公共の喫煙所が大して増えていないことからも、たばこ税に受益者負担の考え方が当てはまるのか疑問です。
増税推進派による「ほかの先進国では紙巻きたばこが1箱2000円になっているのだから、まだ値上げ余地がある」という主張も奇妙。例えば日本の付加価値税率は北欧諸国の25%に比べて低く、逆に自動車関係の税率は諸外国に比べて非常に高い。税の構成や比率はそれぞれの国の状況によって異なるべきであり、何もかも国際標準に合わせるべき、というのは理屈が通りません。