好調を維持するサムソノワが、初出場した東レ・パンパシフィック・オープンでも強さを発揮した。全5試合をストレートで制してツアー4勝目。「厳しい相手とばかり5試合をこなしたが、自分なりに力強くプレーできた」。今年のウィンブルドン選手権を制したリバキナ(カザフスタン)や四大大会2勝のムグルサ(スペイン)ら強敵を打ち破っての今季3勝目に、23歳は胸を張った。
決勝では鄭欽文(中国)の鋭いサーブに押される場面も目立ったが、勝負どころで強さを発揮した。「大切なのはブレークすること」。第1、2セットとも5-5で迎えた相手のサービスゲームで力強いストローク戦からミスを誘い、ブレークに成功。そのまま最終ゲームを押し切って19歳の新鋭を退けた。
ロシアのウクライナ侵攻の影響で、ロシア勢が除外された6~7月のウィンブルドン選手権に出場できなかった。「この時間をしっかり使おう」と拠点を置くモナコで練習に打ち込み、精神面も技術も磨いた結果、8月以降は出場4大会で3勝を挙げている。
ただウィンブルドン選手権からの除外はショックだったようで、「唯一言えるのは、スポーツに政治が介入するのはあまりフェアではないのではないか」と悲しそうに話した。(奥村信哉)