御朱印巡り

馬のいななき響く寺 明松寺(長野県小川村)

産経ニュース
明松寺の庫裡(奥)と馬事公苑の馬場=長野県小川村(原田成樹撮影)
明松寺の庫裡(奥)と馬事公苑の馬場=長野県小川村(原田成樹撮影)

長野県小川村の山あいに、読経とともに、馬のいななきが聴こえる寺がある。「明松寺(みょうしょうじ)」は開基400年を超え、室町時代に築かれた小川(古山)城に縁のある古刹(こさつ)だが、厩舎(きゅうしゃ)を併設した珍しい寺。先代が馬を飼っていた縁で、住職の佐藤正道さん(71)は幼少から馬を乗りこなし、総合馬術の選手となった後に乗馬クラブを作った。馬や騎手らの活気に包まれた山あいのパワースポットだ。

戦国時代、信濃制覇を目指す武田軍が小川村に向かって進撃してきた際、当時一帯を治めていた小川城主の大日方(おびなた)氏でただ一人、徹底抗戦を訴えた金吾直経は、恭順を唱えた弟らによって謀殺された。明松寺は、この怨念を鎮めるために弘治元(1555)年頃に開基された。

一帯では葬儀に住職が馬に乗って出かける習わしがあり、先代に同行した佐藤さんは会食せず先に帰っていたため、必然的に馬を乗りこなせるようになったという。昭和39年の東京五輪では軽井沢で総合馬術競技が行われ、少年だった佐藤さんも大会を見て選手としての活躍を夢見た。

佐藤さんは東京の大学に進学し、馬事公苑(東京都世田谷区)でアルバイトをしたことをきっかけに本格的に乗馬の指導を受けるようになった。昭和53年のやまびこ国体では2種目で優勝、1980年モスクワ五輪のナショナルチームにも選ばれた。日本が出場をボイコットし五輪出場の夢はついえたが、長男で副住職の賢希さん(38)がロンドン、次男の英賢さん(36)が北京と東京でその夢をかなえた。

佐藤さんは現在、賢希さんと、アジア大会で団体2位に輝いた長女の泰(たえ)さん(34)とともに、乗馬クラブ「明松寺馬事公苑」を運営している。

厩舎にはジュニアからシニアまで約20人のクラブ員それぞれが所有する馬など25、26頭がいて、賢希さんらと5人のスタッフで飼育している。競技志向のクラブのため一般の体験乗馬などは行っていない。

佐藤さんは馬の世話を通して青少年の育成にも関わってきた。「馬はものを言わないが、最初は怖くても、毎日草を持っていってあげていると慕ってくれて、心が開く」。取材のさなか、馬が話しかけてきた気がしたのは、勝手な思い込みではなかったようだ。(原田成樹)=おわり

明松寺の御朱印

明松寺】 長野県小川村高府15625。電話026・269・2088。宗派は曹洞宗、山号は万年山。長野市中条御山里8859にある無住寺の広福寺(信濃三十三観音札所巡りの31番)の御朱印もこちらで受けられる。ともに300円。

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