騒音に慣れても無意識下でストレス 空飛ぶクルマの社会実装に課題 名大と慶応が研究

複数のローターを回転させて飛ぶ「空飛ぶクルマ」やドローンによる騒音から、人間は無意識のうちにストレスを感じるであろうことが、名古屋大学と慶応義塾大学の研究者による論文で明らかになった。「空のモビリティー」については官民挙げての取り組みが進められているが、社会実装にあたっては騒音などが生活に与える影響を見極めることが必須。知らず知らずのうちに感じるストレスの存在は、新技術の実用化に向けたルール作りのポイントになる可能性がある。

(Getty Images)※画像はイメージです
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産業用ドローンを手掛けるA.L.I.テクノロジーズは昨年、ホバーバイク「XTURISMO(エックストゥーリスモ) Limited Edition」を税込み7700万円で発売した。ドライバーがまたがって空中を最高時速80キロで疾走する姿は、まさしく「空飛ぶバイク」だと話題を呼んだ。同社はまずは国内外の富裕層向けに販売し、災害救助に役立てたい自治体などにも販路を広げていくといい、次世代の「空のモビリティー」は遠い未来の話ではなくなっている。

一方、こうした技術が盛んに研究されるようになったのと並行して、社会に与える負の影響を懸念する声も高まった。名大と慶応大の研究チームは「空のモビリティー」を議論する上で社会への受け入れやすさ(社会受容性)については研究が十分でないとして、飛行時の騒音とストレスの関係に注目。20歳代の被験者16人を対象に実験を行った。

実験では、空飛ぶクルマが頭上を飛んでいくように感じられるシミュレーターの画像を被験者に見せると同時に、本物の産業用ドローンの飛行時に録音された騒音を聞かせ、ストレスの大きさをアンケートで尋ねる作業を8回繰り返した。騒音の大きさは4段階を用意。1回目の作業から4回目にかけて段階的に大きくしていき、5回目で最小に戻した後、再び8回目にかけて大きくしていった。実験中、被験者は慶応大と民間企業が共同開発した、集中、ストレス、沈静など5種類の感性を脳波から読み取る装置「感性アナライザ」を装着した。

論文によると、実験で得られたアンケート結果からは騒音の大きさとストレスの大きさはほぼ完全に対応することが分かった。騒音の大きさが最大になる4回目に被験者が自覚するストレスは最大レベルになり、5回目の作業で音が最小に戻った際には被験者のストレスは小さくなった。

ただ、感性アナライザの分析からは異なる結果が得られた。騒音が最大から最小に戻った5回目の作業でも、被験者のストレスは騒音を聞くことで大幅に上昇。騒音の大きさが2番目に小さい2回目と6回目を比較した場合、本来であれば被験者のストレス上昇度合の平均は同程度になるはずが、6回目の方が有意に高くなったという。

実験で用いられた最小の騒音の大きさは70デシベル台前半、最大で90デシベル台前半。国土交通省によると飛行機の音が60~80デシベル、騒々しい工場やパチンコ店などが90デシベルだ。

研究チームは、空飛ぶクルマによる騒音のストレスが軽減されたように自覚した場合でも「無意識のストレスが解消されにくい」ことが明らかになったと結論付けた。今後、市街地上空などでの飛行ルールを策定する際は、住民らが受けるストレスの度合いを定量的に評価することが重要だと提言している。


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