東京都八王子市の「大生建設」に勤務していた30代男性が令和2年に自殺したのは、長時間の残業やパワハラが原因だとして、両親が9日、同社に計約4770万円の損害賠償などを求め、東京地裁立川支部に提訴した。代理人弁護士は、労災認定されたのに同社が責任を認めず、訴訟に踏み切ったとしている。
訴状などによると、男性は平成14年に入社し、道路工事の現場監督として勤務。令和元年秋ごろから会長や社長に仕事を怠けたなどと激しく叱責されるようになり、2年2月、会長宅を訪問後に失踪、同3月に東京都内の公園で自殺した。
八王子労働基準監督署は、自殺前の半年間、最長で月163時間に上る長時間の残業が繰り返され、精神疾患により自殺に及んだとし、3年12月に労災認定した。
同社は取材に「訴訟のことは分からない」としている。