陸上自衛隊トップの吉田圭秀陸上幕僚長は8日、来日中の米太平洋陸軍司令官、チャールズ・フリン大将と奄美駐屯地(鹿児島県奄美市)を視察した。同駐屯地では9日まで米陸軍との実動訓練「オリエント・シールド(OS)22」が行われ、米陸軍の最先端部隊が初来日し、陸自部隊との連携を確認した。
吉田氏は視察後の記者会見で「奄美は日本防衛の焦点である南西地域の主要な島嶼の一つ。日米同盟の抑止力、対処力の強化を進めていく」と訓練の意義を語った。フリン氏は地域情勢について「中国の無責任な振る舞いを懸念している」と述べた上で「今回、非常に複雑な作戦を実施した。部隊を訓練し、危機に対応するのがわれわれの責任ある行動だ」と強調した。
OSでは米本土からは初めて南西諸島へ米陸軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」が展開。陸海空に宇宙・サイバー・電磁波の新領域を融合させる「マルチドメイン・オペレーション」を進める米陸軍の特殊部隊「第1マルチドメイン・タスクフォース」が陸自部隊と電磁波を利用した電子戦の手順を確認した。