全方位ch

共感できない主人公がドラマの幅広げる

産経ニュース
NHK放送センター=東京都渋谷区
NHK放送センター=東京都渋谷区

テレビドラマがヒットする条件は、主人公がいかに多くの視聴者の共感を得られるかだと思っていた。ヒーローやヒロインの姿にあこがれを抱いたり、自身の人生を重ね合わせたり…。そうした感情移入が人気を牽引(けんいん)していくのが、従来のドラマの定石だったように思う。しかし、佳境を迎えているNHKの「二枚看板」はどうも違う。意図的かそうじゃないかの差はあるものの、ともに「共感できない主人公」が話題を呼んでいるからだ。

二枚看板とは、大河ドラマの『鎌倉殿の13人』と連続テレビ小説の『ちむどんどん』。『鎌倉殿の13人』は初代将軍、源頼朝(大泉洋さん)が亡くなった後、政権の切り盛りを任された主人公の北条義時(小栗旬さん)が体制維持のために非情な決断を下し、謀殺や暗殺に手を染めていく。毎回のように主要人物が消え、交流サイト(SNS)上には「闇落ち」「ダークヒーロー」といった言葉があふれている。

「ちむどんどん」は主人公の比嘉暢子(黒島結菜さん)が新聞記者だった青柳和彦(宮沢氷魚(ひお)さん)と結婚。長年修業したイタリア料理店を辞めて独立し、沖縄料理店を開業する。しかし、主人公のあまりの楽天家ぶりや世間知らずな考え方、持ち上がった問題が次々と都合よく解決していく様子などが批判の的に。午前8時15分の放送終了にあわせ、SNS上では「#ちむどんどん反省会」が盛り上がる。

平成8年の大河ドラマ『秀吉』を覚えているだろうか。竹中直人さんが今でも持ち芸にしている主人公の豊臣秀吉を演じ、決め台詞(ぜりふ)の「心配ご無用」が流行語になった。最終回は秀吉が催した架空の花見。朝鮮出兵や千利休切腹といった負の要素が多くなる晩年は描かれなかった。「秀吉=共感できる主人公」の時代で、ドラマを終えたのだ。

隔世の感がある。もはや、主人公が共感を得られる人物である必要はない。その分、脇役が脚光を浴びればいいのかもしれない。そう考えると、共感できない主人公はドラマの幅を広げているとも言える気がする。(信)

  1. 安倍元首相に18万人超が「デジタル献花」

  2. 【虎のソナタ】井端さん、鳥谷さんが絶賛する現役一塁手は?

  3. NHK「ちむどんどん」草苅正雄、親子出演に朝ドラファン感動「迫真の演技」「マユちゃん大人になった」

  4. 【ニュース裏表 平井文夫】「国葬欠席」のSNS掲載 批判相次ぐ立民の蓮舫、辻元両参院議員 情けなく恥ずかしい…ジョージアの大使に教えられた死者への敬意

  5. 残り3話!NHK朝ドラあすの「ちむどんどん」9月28日OA第123話あらすじ 暢子(黒島結菜)の新店「やんばるちむどんどん」開店前日に思わぬ事件が…