球界ここだけの話(2792)

ヤクルト・村上宗隆の大活躍を予言していた男が広島にいた

サンスポ
宮城大弥(右)からウイニングボールを受け取るオリックス・水本勝己監督代行
宮城大弥(右)からウイニングボールを受け取るオリックス・水本勝己監督代行

新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)する前の出来事だった。2019年1月、広島の2軍施設のある廿日市市の大野練習場。集まった報道陣の前で当時広島2軍監督の水本勝己氏(53)=現オリックスのヘッドコーチ=が1年目を終えたヤクルト・村上宗隆内野手(22)を絶賛していた。

「すごいスイングをしている。力強いね。あの世代(清宮、中村奨、安田)でモノが違うのかもしれない。みんな良い選手だけどね」

村上は18年9月16日のデビュー戦でプロ初本塁打、21年9月19日には通算100号とともに神宮の広島戦でマークし、今年8月26日のDeNA戦(横浜)で史上最年少の22歳6カ月で通算150号に到達した。水本氏は先見の明があった。

最近、水本氏の経歴が脚光を浴びている。1990年にドラフト外で広島入りしたが、1軍出場はかなわず2年で現役引退。翌92年からブルペン捕手、ブルペンコーチ補佐、3軍統括コーチ、2軍バッテリーコーチ、2軍監督を歴任し、17年に球団史上初のファーム日本一を達成。21年からオリックスのへッドコーチに就任し同年のリーグ優勝に貢献。現在は新型コロナウイルス陽性判定で療養中の中嶋監督に代わり指揮を執る。選手で1軍出場経験のない1軍監督代行はプロ野球史上初の快挙だった。

水本氏のようなケースは野球の本場、米大リーグでは珍しくない。昨季ワールドシリーズを制したブレーブスのブライアン・スニッカー監督(66)や今年6月まで大谷の所属するエンゼルスを率いた最優秀監督3回のジョー・マドン元監督(68)は選手時代にメジャーでプレーをした経験がない。

日本で先駆者となった水本氏は「(選手は)みんなかわいい」とよく口にするほど選手に愛情を持って指導する。広島で誕生した名コーチは、名選手が指導者に転身するケースがほとんどのプロ野球界で新しい歴史を作り続けている。(柏村翔)

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