N響首席奏者に聞くビオラの魅力「サンドイッチでいえば具材」

産経ニュース
ビオラの魅力を語るNHK交響楽団の佐々木亮氏=さいたま市浦和区(星直人撮影)
ビオラの魅力を語るNHK交響楽団の佐々木亮氏=さいたま市浦和区(星直人撮影)

NHK交響楽団の首席ビオラ奏者として、さいたま市出身の佐々木亮(りょう)氏(52)が活躍している。バイオリン奏者から転身した佐々木氏は「ビオラほど一人一人が奏でる音が異なる楽器はない」と語る。主旋律を奏でる機会は少なく、なじみが薄いと感じる人も少なくないであろうビオラ。その魅力を佐々木氏に聞いた。

ビオラとの運命的な出合いを経験したのは25歳のときだった。東京芸術大を卒業後、バイオリン奏者として留学した米国でビオラを弾く機会があった。「一生弾いていく楽器だ」。初めての演奏でそう直感した。

佐々木氏は、ビオラの役割を「サンドイッチでいえば、中身の具材のような存在」と説明する。

言い得て妙だ。バイオリンやチェロのような、音楽愛好家以外にも幅広く知られている楽器ではない。「パン」に隠れてしまい、姿が見えないこともある存在だ。しかし、オーケストラの重層的な響きを生み出すためには不可欠なビオラを、佐々木氏は「縁の下の力持ち」と表現する。

「思い描く音色を他の演奏家に押しつけてはいけない。それぞれが個性を最大限に発揮しながらも、調和を守ることで人間味あふれる音色が生み出される」とも。

佐々木氏らNHK交響楽団に所属する10人のビオラ奏者によるコンサートが6月、さいたま市浦和区の埼玉会館で開かれた。ビオラだけの演奏会の機会はそう多くない。ルーマニア民族舞曲(バルトーク作曲、沢田完編曲)など7曲を演奏し、どこか懐かしく哀愁のある音色で聴衆を魅了した。演奏を終えた佐々木氏は「故郷のさいたまで披露することができて感無量だ」と喜びを口にした。

「具材」が何かを気にかけずにサンドイッチを選ぶ人はいないはず。ビオラの音色に耳を澄ませ、オーケストラや弦楽アンサンブルの響きを楽しみたい。(星直人)

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