警察庁の中村格長官(59)が退任し、後任に露木康浩次長(59)を起用する人事が26日の閣議で了承された。警備部門トップの桜沢健一警備局長(59)の辞職も承認され、中村、桜沢両氏は安倍晋三元首相銃撃事件を受けた事実上の引責辞任となった。発令は30日。
警察庁は25日に事件を受けた警護の検証結果と体制の見直し案を公表。中村氏は同日の記者会見で辞意を表明していた。
露木氏は大阪府出身。昭和61年に警察庁に入り、警視庁刑事部長や警察庁刑事局長を歴任するなど刑事畑が長い。「検証・見直しチーム」のトップを務め、奈良市の事件現場を訪れるなど検証作業を進めてきた。
中村氏は福岡県出身。昭和61年に警察庁に入り、菅義偉前首相の官房長官在任時を含め平成21~27年に官房長官秘書官を務めた。官房長や次長を経て令和3年9月に長官に就任。在任中の今年4月、サイバー警察局を立ち上げた。
桜沢氏の後任の警備局長には原和也氏(55)が就任する。原氏は平成2年に警察庁に入り、首相秘書官や埼玉県警本部長などを歴任した。