ポストコロナの切り札は「次亜塩素酸水」 山梨で初の産官学研究会

産経ニュース
「やまなし次亜塩素酸水研究会」の初会合=7月22日、甲府市(平尾孝撮影)
「やまなし次亜塩素酸水研究会」の初会合=7月22日、甲府市(平尾孝撮影)

「ポストコロナ」時代に新型コロナウイルスなど感染症の拡大防止と経済活動を両立させる「超感染症社会」の実現に向け、消毒・殺菌作用のある「次亜塩素酸水」を活用するための産官学による研究会が、国内で始めて山梨県で発足した。次亜塩素酸水は引火性のあるアルコールではできない空中噴霧が可能で、幅広い領域での活用が期待される。

地元ゆかりの企業参画

次亜塩素酸水は、食塩水などを電気分解することによって作られる「機能水」の一つ。食品添加物として厚生労働省が認可しており、細菌やウイルスに対する消毒・殺菌効果がある。

7月22日に発足した「やまなし次亜塩素酸水研究会」は、大阪大の野村和秀特任教授が座長となり、山梨県▽ミネラルウオーター大手で次亜塩素酸水も製造する「富士山の銘水」(山梨県富士吉田市)▽真空部品・機器製造などの「ミラプロ」(同県北杜市)▽医療機器大手の「ニプロ」(大阪市)-が参画。ニプロは創業者の佐野実氏、現社長の佐野嘉彦氏がともに山梨県出身で、参画企業はいずれも山梨にゆかりがある。

初会合で、銘水の粟井英朗社長は「効果を山梨でいち早く確認し、全国に普及させることで次亜塩素酸水の売り上げを伸ばし、収益を県や地元に還元していきたい」と述べ、「山梨連合」で事業化を先行させる重要性を強調した。

風評で認知遅れ

一般財団法人機能水研究振興財団(東京)の堀田国元理事長によると、次亜塩素酸水は平成3年に研究発表されて以降、「日本発の科学技術として約30年の歴史を持つ」という。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や腸管出血性大腸菌(O157)などへの減菌効果も確認された。

しかし、令和2年前半のコロナ感染拡大時に、一部報道で「次亜塩素酸水はコロナに効果がない」と報じられた上、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)(大阪)が「空中噴霧は結膜炎や気道障害を起こす」との見解を示したり、塩素系漂白剤などに使われる「次亜塩素酸ナトリウム水」と混同されるなどの事態が生じたりした。

厚労省は3年秋までに、次亜塩素酸水のコロナ不活性化の試験結果を公表したほか、空中噴霧についても安全性を証明し、人体への影響がないことを通達。それでも、約1年の風評などによる混乱で、次亜塩素酸水が社会的認知を受けていないのが実情だ。

飲食店で実証実験

研究会の使命は、次亜塩素酸水の空間除菌などの科学的根拠を示し、実用化を加速させることだ。

10月にも、スプレーや加湿器を使った次亜塩素酸水の空中噴霧による洗浄・除菌効果や、適切な使用法を検証する実証実験を実施。対象は県のグリーン・ゾーン認証を受けているカラオケ店、飲食店やホテルの送迎バス、スポーツジム、キッズスペースなどという。

また、実験の結果を受け、認知度向上のための講演会や講座も開く。野村座長は「しっかりとゴールを見据えた活動にしたい」とし、年度内の最終報告の取りまとめに意欲をみせる。

県の担当者は、飲食店でのアクリル板設置など県独自の対策「グリーン・ゾーン構想」に今回の知見を加えることで「超感染症社会の実現に向け、対策を進化させたい」としている。

堀田氏は「産官学による都道府県レベルでの体系的な取り組みは初めてで、評価できる」と指摘。別の専門家は「これまでの次亜塩素酸水普及の取り組みは、ベンチャーや規模の小さな企業が多かった。今回は技術面での定評があり、全国的な認知度が高いニプロが参画している意味は極めて大きい」と期待を寄せる。(平尾孝)

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