欧州を襲う熱波と少雨で、ドイツ国内で最も重要な輸送航路とされるライン川の水位が低下している。石炭の輸送も停滞し、ロシアからの天然ガスの大幅削減でエネルギー危機に直面する中、代替電源である石炭火力発電所の稼働への影響が懸念される。
スイスのアルプス山脈が水源とされるライン川はドイツを北上し、オランダに流れる。ドイツ国内の航路は、石炭のほか穀物や化学製品、鉱物、石油製品などの輸送を担っている。だが水不足の影響で一部の船が航行できなかったり、積載量を極端に減らさなければならなかったりする事態が生じている。産業界は供給停滞による生産停止を警告した。
ドイツメディアによると、この時期の水位は平均2メートル。今月初旬から水位低下が盛んに報じられるようになった。政府機関によると、17日現在の水位は、西部のコブレンツで28センチ、デュッセルドルフで30センチだった。(共同)