これまでの日本の就職活動といえば、多くの企業は広報活動に注力し、母集団を形成したら学生からの応募を待ち続けるという受け身の姿勢で採用をしていているのが特徴的でした。しかし、現在は優秀な人材を確保するために、SNS(交流サイト)や人材バンクなどから必要な人材に直接声をかける採用手段をとる企業が増え、従来の応募を待つ方法と、企業自らが学生とコンタクトをとる攻めの方法をとる企業が増えています。
徐々に学生にも認知されていますが、未だ知らずに就職活動をしている学生も多く、機会を損失している学生も少なくないです。これまでの就職活動とは大きく異なる動きが出てきているのが現在の就職活動ですので、この機会に現在の就職活動について理解を深めましょう。
今回は、コロナ禍で飛躍的に伸びた「逆求人」について紹介します。
逆求人とは
逆求人とは、学生側が逆求人サイト上で、自己アピールを行い企業から声がかかるのを待つ仕組みの就職活動のことをいいます。逆求人は、企業名にはこだわらず幅広い選択肢から就職先を見つけようと考える学生とのマッチングに効果を発揮しています。
そのため、中小企業から大企業まで多くの企業が活用しています。
逆求人が広まった背景
以前から、大手企業や有名企業には比較的多くの人材から応募がありましたが、認知度が低い中小企業やベンチャー企業の募集には応募が少なく、思うように採用が進まないケースが多くありました。しかし、この10年間で、就職活動もデジタル化し、さまざまな就活サービスが生まれました。
ある特定のサービスを利用していた学生がさまざまなサービスを利用するようになり、就職活動の多様化は、大手企業や有名企業でも応募者の確保を難しくさせてしまいました。それに対し、逆求人なら、企業側から興味のある人材に直接コンタクトをとり、これまでに接点を持てなかった人材にも接点を持つことが可能になります。
また、以前からある入社後のミスマッチが解消されないことも理由の一つです。学生時代に培ったスキルや経験との親和性が高いとミスマッチの解消につながる可能性があります。うまく活用すれば優秀な人材に出会える確率も高まることから徐々に逆求人が使われるようになりました。