「爆音今も鮮明に」 大阪京橋駅空襲で慰霊祭

産経ニュース
「京橋駅空襲」の犠牲者を弔う慰霊祭で手を合わせる参列者=8月14日午前、大阪市城東区(桑村大撮影)
「京橋駅空襲」の犠牲者を弔う慰霊祭で手を合わせる参列者=8月14日午前、大阪市城東区(桑村大撮影)

終戦前日の昭和20年8月14日に数百人の命を奪った「京橋駅空襲」の犠牲者を弔う慰霊祭が14日、JR京橋駅前(大阪市城東区)で営まれた。遺族や地元住民ら約200人が参列し、僧侶が読経する中、慰霊碑の前で静かに手を合わせて犠牲者の冥福を祈った。

77年前のこの日、米軍のB29爆撃機が大阪城の敷地内にあった陸軍兵器工場「大阪砲兵工廠(ほうへいこうしょう)」を爆撃。近くの国鉄城東線(現JR大阪環状線)京橋駅周辺にも1トン爆弾が数発落とされた。死者は身元が確認できた人だけで200人余りにのぼり、身元不明者を含めると500人を超えるとされる。

「『ドーン』と腹の底まで響くような爆音がした」。参列した兵庫県西宮市の直川時雄さん(93)は当時、疎開先の同県から実家の和歌山県に向かう途中に見た、頭上をB29爆撃機が列をなして低空飛行する光景と、その後の轟音(ごうおん)を今も鮮明に覚えている。

実は空襲の約1時間前に、京橋駅に避難していた直川さん。「その場に残っていれば、自分も死んでいたかもしれない」。後日、被害の甚大さを知り心が痛んだ一方、ほっと安堵(あんど)する自分もいた。

慰霊祭に参列するのは今年が初めて。「ここに足を運ぶと、当時の状況や戦争の悲惨さがはっきりと思い浮かんでくる」という。「老い先短いが、命ある限りまた手を合わせに来たい」と静かに語った。

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