「背徳グルメ」不健康でも人気 コロナのストレス発散

産経ニュース
京阪・南海のキャンペーンに参画している飲食店のメニュー。ステーキやハンバーグが山盛りの背徳感あふれる一皿(南海電気鉄道提供)
京阪・南海のキャンペーンに参画している飲食店のメニュー。ステーキやハンバーグが山盛りの背徳感あふれる一皿(南海電気鉄道提供)

高カロリーなものを掛け合わせたり、ニンニクを効かせたりした料理「背徳グルメ」が食品業界をにぎわしている。新型コロナウイルス禍によるストレス解消や、コロナ禍で増えたおうち時間で楽しんでもらおうと食品メーカーは品ぞろえを充実させ、売り上げが好調だ。人気に目をつけた鉄道会社がキャンペーンを始めるなど、異業種からも関心が寄せられている。

背徳グルメとは、肉や油脂など高カロリーな食材をふんだんに使った料理や、ニンニクなどの香辛料をたっぷり入れたメニューなど、健康のことなどを考えると食べるのをためらってしまうような食品のこと。一方で山盛りの見た目も写真映えすることからも人気が高まっている。

「コロナ禍のストレス発散に、たまの背徳グルメを楽しむ人が増えている」と話すのは日本ハムの担当者。2月に発売したニンニクを従来の約8倍に増したチルド餃子(ぎょうざ)「ニンニクマシマシ羽根付き餃子」(参考小売価格280円)の販売が目標の2割増で推移している。9月にもブタの背脂やニンニクを使ったチルド焼売(しゅうまい)「背脂こってり肉シュウマイ」(同442円)を投入する。

日本ハムが9月に発売するチルド食品「背脂こってり肉シュウマイ」(同社提供)
日本ハムが9月に発売するチルド食品「背脂こってり肉シュウマイ」(同社提供)
ペースト調味料「禁断の黒コショウ」(ハウス食品グループ本社提供)
ペースト調味料「禁断の黒コショウ」(ハウス食品グループ本社提供)

ハウス食品も、背徳グルメを気軽に作れる調味料の開発に力を入れる。令和2年から「禁断の黒コショウ」(同386円)などニンニクやトウガラシ入りのペースト状調味料を展開するなど品ぞろえを拡大。今年4月時点でシリーズ3商品の累計販売が100万個を超えた。

民間調査会社のクロス・マーケティング(東京)が6月、全国20~69歳の男女1100人に調査したところ、背徳グルメを食べたくなるのは「ストレスがたまっている時」や「疲れている時」など後ろ向きな感情に陥った場合が多いが、一方で「いいことがあった時」「大きな仕事や試験の後」などご褒美感覚で手に取ることも多く、生活のあらゆるシーンに浸透していることが分かった。

ブームは食品以外の業界にも波及する。京阪ホールディングスと南海電気鉄道は背徳グルメを提供する飲食店を紹介した期間限定のキャンペーンを6月に始めた。「沿線に背徳グルメを出す店が増えている。利用者が増えるなど一定の効果もある」と手応えを示す。

一方で背徳グルメを食べた後は、罪悪感からか健康志向が高まる傾向もある。クロス・マーケティングによると、背徳グルメを食べた後や翌日に食事量を減らす人が25・8%に上り、特に女性は摂取カロリーを減らしたり、健康食を取り入れたりする傾向が際立っていた。

背徳グルメ商品を積極的に展開する日本ハムも「背徳グルメを食べた後、消費者は健康を意識する」として、サラダチキンや野菜を加えて調理できるチルド中華総菜のシリーズの売り上げ拡大への相乗効果も期待している。(田村慶子)

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