政治評論家の鈴木棟一(すずき・とういち)氏が11日、死去したことが分かった。82歳。政財官界に幅広い人脈を持ち、舌鋒(ぜっぽう)鋭い論評で知られた。1993年から夕刊フジで連載した「風雲永田町」は6810回を数える名物コラムだった。
鈴木氏は39年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、毎日新聞社に入社した。政治部で首相官邸や自民党、外務省を担当し、編集委員などの要職を歴任。与野党に幅広い人脈を築いた。
91年に退社すると、政治評論家として独立し、政局を鋭くえぐる論評を展開した。夕刊フジでも、自民党の宮沢喜一政権末期だった93年4月5日発行号から「風雲永田町」の連載をスタート。権謀術数の渦巻く永田町の実情を読者に分かりやすく伝えてきた。
永田町の首相官邸近くにオフィスを構え、「生涯現役」をモットーに精力的に取材にあたり、政界のキーマンらを講師に招く勉強会「永田町社稷会」も主催した。