暴力団の威力を示し借金返済を迫ったとして、暴力団対策法違反(暴力的要求行為の禁止)の罪に問われた特定危険指定暴力団工藤会幹部の緒方哲徳被告(46)に、福岡地裁は10日、懲役1年、罰金80万円(求刑懲役1年、罰金100万円)の判決を言い渡した。緒方被告は公判で、工藤会のナンバー4だと説明している。
冨田敦史裁判官は判決理由で「工藤会の幹部が威力を示して取り立てた」と認定。前科があることも踏まえ実刑が相当と判断した。
判決によると、令和元年6月、2千万円の返済が滞った男性に「俺の仕事が何か知っているのか」などと言い、法定制限額を超える利息の支払いを要求した。
緒方被告は5月、福岡県警に逮捕されたが、起訴後に保釈されていた。実刑判決に、傍聴席の関係者は慌ただしく法廷を出入りした。担当検事は「準備できていない」と慌てた様子で勾留手続きのためとみられる電話をしていた。
工藤会は、トップの総裁、野村悟被告(75)、ナンバー2、3の幹部も別の事件で公判中。