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「考える力」鍛える

産経ニュース

ロシアによるウクライナ侵攻から5カ月が過ぎた。この間、「西側メディアが戦争をでっち上げている」「国際金融資本によって仕組まれた」などの陰謀論をインターネットなどで見かけた人も多いのではないか。

拡散機能を備えた交流サイト(SNS)が普及し、陰謀論やフェイクニュースなど真偽不明の情報にさらされる機会が増えている。こうした情報の矛盾に気付き、合理的な判断ができる「考える力」を鍛えるにはどうすればいいのか。

『陰謀論入門 誰が、なぜ信じるのか?』(ジョゼフ・E・ユージンスキ著、北村京子訳、作品社・2640円)は、陰謀論といかに向き合うべきかを、多数の事例とデータに基づいて示した入門書。

数多くの陰謀論が科学的知見を対象としており、これには科学者が関わっていることも多くやっかいだ。しかし、これを放置すると、結果として人命を危険にさらす事態にもつながりかねない。

最も顕著な事例が気候変動に関するもの。アメリカでは「気候変動はでっちあげ」との懐疑論が大勢を占めたことで、気候変動に対処するための重要法案が成立を阻まれてきたという。

「MMR(麻疹・風疹・おたふく風邪の3種混合)ワクチンが安全ではない」と主張する陰謀論もある。真に受けた親が子供へのワクチン接種を控えたことで、長い間流行が抑えられていた麻疹が再び流行した。

陰謀論をなくすことはできないが、数多くの事例を知ることで、陰謀論らしきものに遭遇したときに「これは本当だろうか?」といったん立ち止まって考えることにつながりそうだ。

米ハーバード大心理学教授の講義を元にまとめた『人はどこまで合理的か』㊤㊦(スティーブン・ピンカー著、橘明美訳、草思社・各2090円)は、合理的思考を身に付けるための方法を伝授している。

米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたこともある著者によると、人類が古代から現代に至る、あらゆる環境の中で生き延びてこられたのは、合理的にものを考えることができたからだ。その一方で確証バイアス(自分に都合のいい情報ばかり集め、そうでない情報は無視してしまう傾向)など非合理に考えるくせも持ち合わせているという。

同書では、「ゲーム理論」「意思決定理論」など幅広い学問分野から生まれた知的ツールを使い、合理的に思考するための方法を紹介している。また、心理学や行動経済学などの研究で蓄積された非合理に陥りやすい状況を示し、非合理に陥りそうな場面への警戒を促す。

『この1冊で「考える力」が面白いほど鍛えられる! 思考実験BEST50』(笠間リョウ著、総合法令出版・1430円)は思考実験を集めた例題集。

思考実験とは、頭の中で想像するのみの実験。著者は思考実験で普段から頭を鍛えておくと、観察力や発想力、論理的思考が自然と身に付くという。

暴走トロッコの軌道の切り替えで誰を助けるかを問う「トロッコ問題」や米SFアクション映画「マトリックス」(1999年公開)のモデルとなった「水槽の脳」、量子力学の矛盾点を指摘した「シュレーディンガーの猫」など有名なものを中心に50の思考実験を紹介している。楽しみながら考える力が鍛えられる。(平沢裕子)

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