花田紀凱の週刊誌ウォッチング

(885)まるで魔女狩りの統一教会報道

まるで魔女狩りだ。

新聞も週刊誌も統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)と政治家のつながりを探し出し、躍起になって批判している。

が、政治家が宗教団体とつながりを持つことがそんなに悪いのか。統一教会が、政治にそれほど影響を与えてきたのか。

違和感を拭えないでいたら、『サンデー毎日』(8・14)で石戸諭さん(ノンフィクションライター)も、こんな指摘を。

〈選挙運動を手伝ったり、政治家のパーティー券を買ったりと政界とのつながりは現在もある(中略)だが、つながりがあることと、影響があることはまったく別の問題である〉

無論、統一教会が法に触れる活動をしているなら、厳しく批判すべきだ。

全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、統一教会に関する相談は、平成29年から令和3年までの5年間で約590件。被害総額は約55億円にのぼるという。が、これはあくまで相談件数。

新聞や週刊誌は、なぜ、この20年、統一教会や政治家を厳しく批判してこなかったのか。もう少し冷静な報道、分析を期待する。

『週刊文春』(8月11日号)の右柱「安倍派と統一教会 癒着の核心」も、「徹底解剖」という割にはそんな期待には応えてくれていない。

『週刊新潮』(8月11・18日夏季特大号)の「『統一教会』と『政治家』を監視 『警視庁公安部』封印された『捜査ファイル』」も古い話ばっかり。

この「捜査ファイル」なるものが、いつ作成されたものかについては、書かれていない。

今週も週刊誌を読んでフラストレーションがたまる一方だが、『ニューズウィーク日本版』(8・9/16)の大特集を読んで、ほっとした。

「世界が賞賛する日本の暮らし」。

安倍晋三元総理銃撃事件で〈日本の「安全神話」が揺らいだという報道が続いた〉が、外国人はどう見ているか。

「子供が自由に街を歩けるニッポンの不思議」「米大使が太鼓判 日本の鉄道は世界最高!」など13本。

(月刊『Hanada』編集長)

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