立川らく兵の浮世日記

本当に涼しくなる怪談噺

産経ニュース
立川らく兵
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8月に入り、暑い日が続きます。東京では連日36度を越える猛暑。文字通り、うだるようです。ここ数年、とくに暑い夏が続いています。少なくとも10年前、20年前は、もう少し夏も手加減してくれてたような気もします。

落語の方だと夏場によく語られるのは「怪談噺(ばなし)」ということになります。「真景塁ケ淵」「牡丹灯籠」「四谷怪談」「もう半分」など、いろんな演目があります。もちろん落語ですから怪談をちゃかしたような話もあって「お菊の皿」「お化け長屋」なんてのは、どちらかというと愛嬌(あいきょう)のあるお化けが出てきます。

江戸の昔にはクーラーや冷蔵庫や扇風機なんてものは無かったわけですから、今よりもっと暑さ対策は大変だったでしょう。寄席や芝居小屋は冷房がないから、とにかく暑い。ですから、夏場はどうしてもお客さんの入りが減ってしまったんだそうで。そこで客入りを戻すために考えられたのが、怪談ものの上演だったそうです。今みたいに冷房器具のそろわない時代でも、人間は何かと涼しく過ごせるように工夫してたんですね。

となると怪談の時期には、やっぱりうまい演者ほどお客を呼んだに違いありません。なるべくいいメーカーのエアコンを買うようなもんです。

しかし怪談話なんて本当に暑さ対策になるんでしょうか。なんとこれが、実際に効果があるんだそうですよ。人間は恐怖や不安を覚えると、臨戦態勢に入る。すぐ動けるように、体の主だった筋肉に血液が流れるそうです。そうなると比較的、末端の細い血管には血が行かなくなる。それで涼しさを感じるんだそうです。怪談話を聞くと涼しくなるというのは、科学的にも証明されてるんですね。

明治時代の落語の名人、四代目の橘家圓喬。この人が夏場に「鰍沢(かじざわ)」という落語を演じたら、聞いていたお客さんがうちわであおぐのをやめて浴衣の襟を合わせた、という伝説が残っています。「鰍沢」は怪談とは少し違いますが、雪の中を女が鉄砲かまえて追いかけてくる、怖い怖いお話。橘家圓喬の名人芸を聞いたお客さんの毛細血管もずいぶん縮んで、よほどゾッとしたのでしょう。

今の時代、落語の名人を増やすことが、電力不足の解消につながるかもしれません。

立川らく兵 宮崎県出身。平成18年8月、立川志らくに入門。24年4月、二ツ目昇進。

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