首相「核なき世界」道のり険しく G7控え対中露に苦慮 広島「原爆の日」

産経ニュース
広島原爆忌。平和記念式典で黙とうをする岸田文雄首相=6日午前8時15分、広島市中区 (安元雄太撮影)
広島原爆忌。平和記念式典で黙とうをする岸田文雄首相=6日午前8時15分、広島市中区 (安元雄太撮影)

岸田文雄首相は6日、就任後初となる地元・広島での「原爆の日」に臨んだ。被爆地出身の首相として核兵器の惨禍を訴えることで来年広島市で開催する先進7カ国首脳会議(G7サミット)への機運を高める考えだが、ロシアのウクライナ侵攻に加えて中国も台湾周辺で軍事演習を展開し、安全保障環境は厳しさを増す一方だ。首相は自らが掲げる「核兵器なき世界」の実現に向け、険しい道のりを歩むこととなる。

「77年前のあの日の惨禍を決して繰り返してはならない。これは唯一の戦争被爆国であるわが国の責務であり、被爆地・広島出身の首相としての私の誓いだ」

首相は広島市の平和記念公園で開かれた「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」でこう強調した。

今月1日には日本の首相として初めて米ニューヨークで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席し、演説などを通して核軍縮に向けた思いをアピールした。来年5月には首相の「被爆地外交」の集大成とも言えるG7広島サミットも控えており、首相周辺は「(核軍縮は)首相以外の首脳にはできない国際貢献だ」と話す。

ただ、ロシアのプーチン大統領が公然と核使用を示唆する発言を繰り返しているほか、核軍拡に突き進む中国は2030年までに少なくとも1千発の核弾頭を保有するとの見方もある。高価な最先端通常兵器を大量に保有できない国にとって、比較的安上がりな核兵器は魅力的なのも事実だ。

首相は6日のあいさつで「厳しい安全保障環境という現実を核兵器のない世界という理想に結びつける努力を行う」と語った。だが、厳しい安全保障環境の中では日本も米国の核抑止力に依存せざるを得ず、「核なき世界」は一層遠のきつつあるのが現状だ。

それでも首相はニューヨークから帰国した直後、周囲にこう語った。「ロシアや中国の動きの中ですぐに結果を出すことが難しいことは分かっている。でも、誰かが頑張らないと、ずるずると行ってしまう」

(永原慎吾、竹之内秀介)

「核兵器使用の惨禍を繰り返してはならない」 広島市平和祈念式典 首相あいさつ全文

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