食料自給率38% 2年ぶり上昇も低水準、食料安保に課題

産経ニュース
北海道神宮の抜穂祭=北海道東川町
北海道神宮の抜穂祭=北海道東川町

農林水産省が5日発表した令和3年度のカロリーベースの食料自給率は、前年度から1ポイント上昇し、38%だった。新型コロナウイルス禍からの外食需要の回復でコメ消費が増えたことや、好天により小麦の生産量が拡大したことなどが寄与した。上昇は2年ぶりだが、過去最低となった前年度(37%)に並ぶ低水準。ロシアによるウクライナ侵攻を機に輸入依存のリスクが浮き彫りとなった食料安全保障の強化に向けては、自給率向上が欠かせないだけに、政策の抜本的見直しが求められそうだ。

生産額ベースの自給率は前年度から4ポイント下落の63%となり、過去最低を更新した。世界的な需要の高まりを受け、穀物や生産資材の輸入価格の上昇が国内生産額の減少に作用した。

また、輸入せずに国内の農地をフル稼働してどの程度の食料を供給できるか示す食料自給力は、イモ類中心の作付けをした場合、1日に国民1人当たりに供給できるエネルギー量が2418キロカロリーだった。国民が現在の体重を保つための必要エネルギー量(2169キロカロリー)を上回ったが、農地面積の減少などで前年度(2490キロカロリー)を下回った。

食料自給率は、昭和35年度の79%をピークに漸減が続き、平成5年度に過去最低の37%まで低下。その後も農家の高齢化や耕作放棄地の拡大など国内農業の生産基盤の弱体化が進み、22年度以降は40%を割り込む状況が続く。

政府は令和12年度にカロリーベースで45%、生産額ベースで75%に引き上げる目標を掲げている。需要が減少している主食用米の転作を進め、小麦生産への転換や家畜のエサを国産の飼料用米にシフトさせるなどの政策を推進することで自給率向上を目指す。

しかし、ロシアとウクライナの紛争で輸入に頼る肥料などの生産資材が高止まりし、農家の経営を圧迫。高齢化や耕作放棄地の拡大といった恒常的な課題にも歯止めがかかっていない。東大大学院の鈴木宣弘教授は「農家の赤字分を丸ごと政府が補助金で支援するくらいの抜本的な対策が必要だ」と警鐘を鳴らす。

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