【ワシントン=坂本一之】米労働省が5日発表した7月の雇用統計(速報、季節調整済み)は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月から52万8千人増えた。増加幅は前月から拡大し、金融市場の事前予想(約25万人)の2倍以上の規模となった。失業率は0・1ポイント改善の3・5%と雇用改善が進んでおり、米連邦準備制度理事会(FRB)が進める金融引き締めを後押しする内容となった。
7月の就業者数は民間部門で47万人増えた。分野別では教育・ヘルスケアが12万2千人、接客・レジャーが9万6千人増加し、専門・企業サービスも伸びた。
失業率の3・5%は、新型コロナウイルス感染症が本格的に流行する前の2020年2月に並ぶ水準で良好さを維持している。
FRBは先月27日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を0・75%引き上げることを決めた。FRBのパウエル議長は、雇用情勢は依然堅調だとして「米国は景気後退局面入りしていない」との見方を示し、次回9月のFOMCでも「異例の大幅利上げ」に踏み切る可能性を示唆している。