持病が転倒につながることがあります。注意が必要な病気は数多くありますが、代表的なものとして、3つお話ししましょう。
というのは、病気は大きく3つに分けられるからです。運動機能が衰える病気、感覚機能が衰える病気、そして認知機能が衰える病気です。これら3つに、それぞれ代表選手がいます。
運動機能が衰える病気の代表が、「パーキンソン病」です。
パーキンソン病は、日本で難病に指定されている神経変性疾患のひとつです。手足のふるえ(振戦)、動作が少なく遅くなる(無動)、筋肉がこわばり手足が動かしにくくなる(筋強剛)などの症状が現れ、転びやすくなります。
ヒトラーがパーキンソン病だったことがよく知られています。症状が進行すると安静時に手が震えるため、メガネを持つなど工夫していたというエピソードが伝えられています。ヒトラーが実際に転倒したという史料は見たことはありませんが、彼によって国家と時代は転覆しました。