ノーベル平和賞を受賞した中国の民主化活動家、劉暁波氏が死去してから5年となる7月13日夕、台北市郊外の公園に約50人が集まり、同氏をしのぶイベントが行われた。
公園に設置された劉氏の像の前で、台湾に亡命している中国の民主化活動家らが笛やバイオリンなどを演奏したほか、地元のダンサーが「英雄をたたえる舞い」などを披露した。劉氏の友人で、詩人の廖亦武氏は「劉氏の遺志を継承して中国で民主化を実現させるための戦いを継続しなければならない」と訴えた。
中国で「国家政権転覆罪」を理由に湖南省の刑務所に約5年間投獄され、4月に台湾に戻った人権活動家、李明哲氏も「中国の刑務所における人権迫害の実態」などを紹介した。
イベントを主催した画家の顔柯夫氏は「台湾を中国の民主化活動の新しい拠点にしたい」と語った。顔氏によれば、香港はこれまで中国の民主化運動の拠点となってきたが、国家安全維持法が施行されて以降、何もできなくなった。
1989年に民主化運動が弾圧された天安門事件の際の学生リーダーでもあった顔氏は最近、台湾に移住してきた香港の人権活動家らと連携を強めていると明かし、「中国の民主化運動に関する発信を台湾から積極的にしていきたい」と語った。(矢板明夫)