社説検証

安倍元首相の国葬 朝毎「疑問がある」と指摘 実施いち早く求めた産経

産経ニュース
記者会見で安倍晋三元首相の国葬実施を表明した岸田文雄首相 =7月14日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
記者会見で安倍晋三元首相の国葬実施を表明した岸田文雄首相 =7月14日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

今年7月、参院選の応援演説中に銃弾に倒れた安倍晋三元首相の国葬が、9月27日に東京都千代田区の日本武道館で執り行われることが閣議決定された。首相経験者の国葬は吉田茂元首相以来、55年ぶりで戦後2例目となる。

岸田文雄首相が葬儀委員長を務め、費用は国が全額負担する。安倍氏の突然の訃報は世界を駆け巡り、海外から数多くの弔意が寄せられた。世界のリーダーの一員として、大きな存在感を見せた安倍氏を国葬で送るのは当然の判断といえる。

産経は7月14日付で「安倍晋三元首相は国葬で送られるべきである」と政府の決定に先立って国葬の実施を求め、岸田首相にただちに準備に入るように訴えた。そして「憲政史上最長の首相在任による業績を踏まえることに加え、国際社会が示してくれた追悼にふさわしい礼遇を示すことが大切だ」と強調した。

読売も「国葬には、海外の多くの首脳や要人が出席する見通しだ。外交上も重要な場となる」と論考したうえで、「国家的行事として、責任を持って執り行おうという政府の姿勢は理解できる」(7月16日付)と指摘した。

さらに日経も7月23日付で「内政や外交の実績を総合的に評価した判断は理解できる」とした。そして「国内には国葬への慎重論もある。運営方法の透明性を高め、広く理解を得られる形での実施をめざしてほしい」と政府に注文をつけた。

これに対し、朝日は「安倍元首相の業績には賛否両論がある。極めて異例の『国葬』という形式が、かえって社会の溝を広げ、政治指導者に対する冷静な評価を妨げはしないか」(7月20日付)と疑問を投げかけた。

同紙はさらに「政策への評価が分かれ、森友・加計・桜を見る会をめぐる問題も未解明の安倍氏を特例扱いすることに、疑問を抱く国民がいるのは当然である」(7月28日付)と論じ、国葬の実施を決めた岸田氏に疑問や懸念に答えるように求めた。

毎日も「退陣から2年弱で、現役の政治家だった安倍氏の歴史的評価は定まっていない」(7月16日付)としたうえで、「銃撃事件の捜査も続いている。落ち着いた状況の中で、世論を見極めながら決めるべきではなかったか」と難じた。

同紙は7月23日付でも「今回の決定を巡ってはさまざまな疑問がある」と強調し、「首相経験者の国葬に法的根拠がないにもかかわらず、国会に諮ることなく政府の独断で決めた」と批判した。

東京も「安倍氏の葬儀を巡って、国民の分断がさらに深まらないか懸念する」(7月20日付)と危惧したうえで、「五十五年ぶりの国葬には、自民党保守派への配慮という岸田首相の政治判断があったのだろう」と断じた。

国葬の実施をめぐっては野党からも反対する声が上がっているが、産経はそうした野党を批判した。立憲民主党の泉健太代表が皇族以外の国葬に反対姿勢を示していることについて、「泉氏の主張は論外であり、首相経験者の国葬は弔問外交の場ともなる」(7月26日付)と反論した。そのうえで「国家に功績のあった人物を国葬で送るのは、諸外国では当たり前である。日本もそうあるべきだ」と主張した。

安倍氏の国葬は、国民に弔意を強制するものではない。政府は国葬を執り行う9月27日を休日とはせず、黙禱(もくとう)なども求めない方針を明示している。国政選挙を通じ、国民の支持を長く得た為政者を悼むのにふさわしい葬儀にしてほしい。(井伊重之)

安倍元首相の国葬をめぐる主な社説

【産経】

・心込めた国葬で送りたい(7月14日付)

・野党の反対は理解できぬ 7月26日付)

【朝日】

・「国葬」に疑問と懸念(7月20日付)

・首相は「国葬」の説明を(7月28日付)

【毎日】

・国民の思い尊重する形に(7月16日付)

・なぜ国会説明しないのか(7月23日付)

【読売】

・内外の悼む声を踏まえた判断(7月16日付)

【日経】

・広く国民の理解を得る国葬に(7月23日付)

【東京】

・国民の分断を懸念する(7月20日付)

  1. NHK朝ドラあすの「ちむどんどん」8月17日OA第93話あらすじ ビタミン剤を売るビジネスに賢秀(竜星涼)は疑問を抱き…

  2. NHK朝ドラ「ちむどんどん」賢秀(竜星涼)がねずみ講に…優子(仲間由紀恵)巻き込む展開に視聴者悲鳴、和彦(宮沢氷魚)には「教えてあげないと!」の声

  3. 中露〝蜜月崩壊〟習主席がプーチン氏見捨てた!? 「ロシアの敗北は時間の問題」中国元大使が発言 インドの浮上で変わる世界の勢力図

  4. キムタクだけマスク着用の集合写真に「これが有名人が伝えるべきメッセージ」「好感度爆上がり」と称賛の嵐

  5. NHK朝ドラあすの「ちむどんどん」8月16日OA第92話あらすじ 独立に向けて課題が山積みの暢子(黒島結菜)、賢秀(竜星涼)は我那覇と再会し…