ポトマック通信

変わるサウジ

産経ニュース

先月、バイデン米大統領の中東訪問を取材するためサウジアラビア西部ジッダを訪れて、驚いた。空港の入国審査官が女性ばかりだったのだ。宿泊したホテルでは、外国人ではなくサウジ人の女性従業員が受け付け業務を担っていた。中東に駐在していた10年ほど前に首都リヤドを訪れた際は、そもそも働く女性の姿をほとんど見なかったのに。

港町のジッダはもともと、中部の砂漠地帯にあるリヤドより開放的な土地柄だといわれる。だから単純に比較はできないのだが、地元のサウジ人は「ここ数年で女性の働き手が増えたのは間違いない」という。

理由は明白で、実質的指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が旗振り役となり、女性の社会進出を促しているから。皇太子は「ビジョン2030」と銘打ち、「脱・石油」時代を見据えた経済・社会改革を進めている。観光業の振興にも積極的だ。王族批判はタブーであることを差し引いても、皇太子の人気は市民の間で非常に高いと感じた。

サウジに対しては、2018年に起きた記者殺害事件などをめぐる人権面の批判が根強い。保守的な宗教界からの揺り戻しなどで改革が一直線に進まないことも考えられる。それでも、極端に閉鎖的というサウジのイメージは過去のものになりつつある。(大内清)

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