ディープフェイクの脅威にAIで対抗 東大が「世界最高性能」 マイクロソフトしのぐ 

虚偽の合成映像「ディープフェイク」の問題が世界的に懸念される中、映像の真贋を判断する技術の開発が日本で進められている。東京大学の研究グループが開発した人工知能(AI)を用いた手法は、米マイクロソフトが2年前に発表した手法よりも精度が高いといい、「世界最高性能」と銘打たれている。ディープフェイク映像は人間の目では偽物だと見極められないほどにまで高度化しており、真贋判定にもより高い技術が必要とされている。

(Getty Images)※画像はイメージです
(Getty Images)※画像はイメージです

ディープフェイク映像をめぐっては数年前、米映画「ダーティハリー」で主人公を演じるクリント・イーストウッドの顔をアーノルド・シュワルツェネッガーに置き換えた動画がYouTubeに投稿されて話題を呼んだ。また、顔全体を偽物に置き換えるのではなく、口の動きだけを置き換えることで合成映像の違和感を抑えて、そこに偽の音声と組み合わせる手法も出てきている。

ディープフェイク映像は高度な技術に裏付けられている一方、虚偽の映像をインターネットで拡散させて政治家や企業などの評判を下げるネガティブキャンペーンに技術が悪用される可能性なども指摘されている。日本では2020年、アダルトビデオの映像に女性芸能人の顔を合成した「フェイクポルノ動画」を作成してSNSに投稿した男が京都府警に逮捕された。

ただ、ディープフェイク映像を見極めることは先端技術をもってしても容易ではない。一口にディープフェイク映像といっても作成方法はさまざまで、深層学習(ディープラーニング)でAIにディープフェイク映像を検知させる手法では、学習したタイプのディープフェイク画像しか検出できないという難しさがあるとされてきた。

こうした中、東京大学大学院情報理工学系研究科の研究グループは4月、極めて精工な虚偽の画像を作成してAIを訓練する方法で、ディープフェイク映像の検出精度を高めることに成功したと発表した。AIの訓練に用いられたのは「1枚の人物画像の色や周波数成分、画像サイズをわずかに変更した2枚の画像をブレンド」した画像(Self-Blended Images =SBIs)で、ほぼ同一の画像を合成しているためディープフェイク映像としての違和感が極めて小さい。このため、SBIsで学習を重ねたAIは、ディープフェイク映像にみられるわずかな偽造の痕跡も見逃さないという。既存手法との比較では、5種類のデータセットのうち4種類でのテストで世界最高性能を達成したとしている。

東京大学大学院の研究グループによると、ディープフェイク映像の検出では、マイクロソフトの研究者も2020年にAIを用いた技術を発表。しかしAIの訓練に用いたのは、似た顔の特徴を持つ「異なる人物」の画像を合成した画像で、訓練としてはハードルの低い内容だったという。結果として、圧縮率が高くて画像が潰れているディープフェイク映像などに対しては検出の精度が下がるという課題があった。

人間では真贋を判別できないディープフェイク映像は社会にもたらす悪影響が大きく、研究グループは「さらに検出の精度を高めることを目指す」としている。

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