歯止めがかからない特殊詐欺被害の防止を図ろうと、警視庁は1日、「STOP!詐欺」広報大使にプロ野球日本ハムの新庄剛志監督を任命し、東京都内で開かれたイベントで委嘱状を手渡した。新庄監督は「自分もお金をすごく稼ぎ、信頼している人に任せてだまされた。詐欺(被害者)の気持ちはよく分かる」とあいさつ。「詐欺をストップさせるために動いていく」と意気込んだ。
この日は、警視庁が新庄監督を起用した〝詐欺撲滅〟動画も披露された。動画では新庄監督が「もしもし、母ちゃん。電話でお金の話? それ、詐欺!」などと詐欺の手口や防止方法を紹介。上映後、新庄監督は自らの名前にかけ「見ていて恥ずかしんじょうでしたね」と笑顔を見せた。
警視庁によると、都内の令和3年の特殊詐欺被害は3319件に上り、総額は約66億2150万円に達する。今年は5月末までで1126件の総額約22億円。前年同期に比べ341件減で総額も7億3100万円減っているものの、歯止めはかかっていない。
令和3年の特殊詐欺被害の約9割が70代以上の高齢者で、その子供の世代は新庄監督と同世代の40~50代だといい、警視庁は、子の世代からも注意を呼び掛けようと、新庄監督を広報大使に起用した。委嘱状を手渡した警視庁の山本仁副総監は「家族を守るのは自分たちだという意識を高めていければ」と期待した。