関西電力の金品受領や役員報酬補塡(ほてん)を巡る問題で、大阪地検特捜部が会社法違反(特別背任、収賄)などの罪で告発を受け捜査していた八木誠前会長ら旧経営陣9人を不起訴(嫌疑不十分)とした処分について、大阪第2検察審査会は1日、八木氏と岩根茂樹元社長、森詳介元会長の計3人を「起訴相当」とする議決を公表した。
議決は7月7日付。特捜部が今後再捜査し、改めて起訴か不起訴かを判断する。不起訴となっても、改めて起訴議決が出れば強制起訴される。残る6人は不起訴不当で、特捜部が再捜査後に改めて不起訴とすれば捜査は終結する。
議決書によると、八木氏と森氏については、金品受領で発生した豊松秀己元副社長の追加納税分を関電で負担したとする業務上横領などの罪▽業績悪化で減額した18人分の役員報酬を退任後の嘱託報酬で補塡したとする特別背任の罪-を起訴相当と判断。岩根氏についても業務上横領罪などについては起訴相当とした。
一連の問題をめぐっては、関電側が福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領し、関連業者に原発関連工事で便宜を図ったほか、業績悪化で減額した18人分の役員報酬計2億5900万円を退任後の嘱託報酬で補塡したとして、市民団体が旧経営陣のうち9人を告発。特捜部は告発状を受理して捜査し、昨年11月に全員を嫌疑不十分で不起訴処分としていた。