29日の東京外国為替市場の円相場はドルに対して大きく上昇し、一時1ドル=132円台を付けた。6月中旬以来、約1カ月半ぶりの円高ドル安水準。米国の景気後退に対する懸念が強まり、ドルを売って円を買う動きが一気に加速した。
午後1時現在は前日比2円41銭円高ドル安の1ドル=133円16~19銭。ユーロは2円45銭円高ユーロ安の1ユーロ=135円98銭~136円04銭。
前日に発表された米国の4~6月期実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比0・9%減となり、事前の市場予想を下回った。米景気への警戒感から前日の米長期金利は大幅に低下しており、日米金利差が拡大するとの観測が後退したこともドル売りを促した。
市場では「米大幅利上げ継続観測が後退したことから、海外投資家を中心に投機的なドル売り円買い注文が膨らんだようだ」(外為ブローカー)との声が聞かれた。