千葉県松戸市は27日、特定の市民スポーツクラブに便宜を図るため、架空団体を登録して施設利用の抽選に不正に参加するなどした市職員5人を、訓告や厳重注意処分にした。架空団体は市関係者が登録しただけでも8つに上り、当選確率が大幅に上昇した一方、他団体は著しく低下した。同クラブには市議が参加しているが、その市議と市はいずれも関連を否定している。
市によると、市廃棄物対策課の男性室長補佐(54)は昨年8月、市クリーンセンターの体育室(同市高柳新田)で活動している同クラブから「抽選予約が取れない」と相談を受け、架空の5団体を登録。同11月には、部下で会計年度任用職員の女性(59)も3団体を登録した。
同クラブは毎週土曜の夕方に活動し、当初の競争倍率は20~30倍程度だった。同クラブ自らが登録した架空団体などを合わせ、最終的に計15団体分で抽選に参加。当選確率は大幅に上がり、今年1月以降はほぼ毎週利用できていた。
今年3月に外部からの指摘で発覚。本郷谷健次市長は27日の記者会見で「大変ご迷惑をおかけした。公平な運用を図っていく必要がある。越えてはいけない一線を越えた」と謝罪した。