大阪高裁長官に7月5日付で着任した後藤博氏(64)が26日、高裁で記者会見し、「国民の皆さまにとって、身近で利用しやすく、頼りがいのある裁判所を目指して努力していく」と抱負を述べた。
会見では、民事裁判手続きのIT化に向けた改正民事訴訟法が今年5月、国会で成立したことについて、「今後の裁判所の姿を大きく変える契機となる」と説明。オンラインによる書面提出やウェブ会議による尋問などが可能になることから、審理運営なども見直していくとした。
後藤氏は静岡県生まれ。東京大卒業後、昭和58年に任官。東京地裁判事補を振り出しに、主に民事裁判を担当し、東京地裁所長や福岡高裁長官などを歴任した。法務省民事局にも長く務め、登記に関する業務などを行った。趣味はクラシック音楽の鑑賞で、好きな作曲家はバッハという。