千葉県鎌ケ谷市の自宅で昨年4月、同居する母親を殺害したとして、殺人罪に問われた無職、奥脇和好被告(43)の裁判員裁判で、千葉地裁は22日、懲役8年6月(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。
友重雅裕裁判長は判決理由で「疎ましく思っていた母が認知症となり、嫌悪感を募らせ突発的に殺害した」と非難した。
弁護側は、新型コロナウイルス禍で福祉サービスが滞り、母の介護で孤立を深めていたとして執行猶予付き判決を求めたが、判決は「献身的に介護をしていたとは言えず、短絡的な犯行だった」と指摘した。
判決によると、昨年4月10日、鎌ケ谷市内の自宅で、母きぬ江さん=当時(69)=の胸などをめがけ包丁を複数回突き出し、転倒させた後にバスタオルで鼻や口をふさいで窒息死させた。