世界的なエネルギー価格高騰を受け、電気・ガス料金が高値で推移している。燃料価格の変動を料金に反映させる「燃料(原料)費調整制度」で、関西電力はすでに上限価格に達しており、大阪ガスは9月の料金で上限に到達する見通し。超過分は電気・ガス会社が負担しているが、上限撤廃の動きもあり、家計や企業の負担増が懸念される。
関電の9月の電気料金は21日、標準的な家庭で8月と同じ7497円程度となる見込みであることが分かった。火力発電の燃料になる液化天然ガス(LNG)や原油の輸入価格上昇が続くが、3月分から燃料費調整制度で上乗せできる上限に達しており、電気料金は据え置きとなる。大阪ガスの9月の家庭向けガス料金は、8月より125円高い6726円程度となる見通し。
電気・ガス会社は燃料や原料の輸入価格の変動を料金に反映させている。9月分は4~6月の平均価格(速報値)を基に計算している。制度は事業者の経営環境の安定を図るなどの目的で導入されているが、全てを料金に転嫁することを避けるため上限が設定されており、事前に決めた基準燃料価格の1・5倍までしか反映できない。関電は今年3月分の料金から上限に達している。
一方、政府は最近のエネルギー価格高騰もあり、事業者の経営安定のため同制度の見直しに着手した。また、国への届け出が不要な自由料金プランについては、事業者側でも四国電力が今月19日、家庭向けの一部料金プランで上限を廃止すると発表している。(井上浩平)