仁左衛門復帰に鳴りやまぬ拍手 大阪松竹座の七月大歌舞伎

産経ニュース

7月24日まで大阪松竹座で開催されている七月大歌舞伎の「関西・歌舞伎を愛する会」の第30回公演。歌舞伎を初めて見る人から通まで楽しめるプログラムになっている。初日から体調不良で休演していた片岡仁左衛門も14日から出演し、観客の拍手が鳴りやまない。

昼の部の「嫗山姥(こもちやまんば)」は近松門左衛門の作。ヒロインの八重桐(やえぎり)に亡夫の魂が宿って超人的な力を得るという、いかにも歌舞伎らしい荒唐無稽な物語だ。片岡孝太郎が義太夫節に合わせて、古風な中に女形のしゃべりの芸の面白さを存分に披露している。

「浮かれ心中」は井上ひさしの小説を歌舞伎にした軽妙洒脱(しゃだつ)な喜劇である。

生来、人を笑わせるのが大好きという栄次郎(中村勘九郎)が絵草紙作者として有名になりたいと、自ら勘当されたり、望んで手鎖の刑を受けたりと、涙ぐましくも常軌を逸した行動をし、心中事件まで起こす。

「浮かれ心中」で、宙乗りならぬ「ちゅう乗り」を披露する中村勘九郎ふんする栄次郎=大阪市中央区の大阪松竹座ⓒ松竹
「浮かれ心中」で、宙乗りならぬ「ちゅう乗り」を披露する中村勘九郎ふんする栄次郎=大阪市中央区の大阪松竹座ⓒ松竹

勘九郎をはじめ戯作者仲間の松本幸四郎、栄次郎の妻おすずと傾城(けいせい)・帚木(ははきぎ)の2役を演じる中村七之助ら出演者の軽やかな喜劇センスが光る。笑いの中で問いかける「茶番(創作)は本気(真実)に勝てるのか」は、表現者にとって永遠の命題であろう。

夜の部は、近松の三大姦通(かんつう)劇の一つ「堀川波の鼓(ほりかわなみのつづみ)」。体調不良で初日から休演していた仁左衛門が14日から出演し、観客の拍手が鳴りやまない。

「堀川波の鼓」で、妻の不義に苦しむ小倉彦九郎を演じる片岡仁左衛門=大阪市中央区の大阪松竹座ⓒ松竹

思いがけず鼓の師匠・源右衛門(勘九郎)と不義の関係に陥った鳥取藩士・小倉彦九郎(仁左衛門)の妻・お種(中村扇雀)。彦九郎は武家社会のおきてで妻を成敗する。彦九郎役の仁左衛門は妻を討たねばならない苦悩を抑えた演技で表現し、お種のなきがらに羽織を着せかける場面には妻への思いがにじんだ。お種の扇雀は彦九郎の留守中、夫の着物にしなだれるあたりに危うさがあり、酒の上の過ちなども現代に通じる。

「祇園恋づくし」は京都を舞台に、東男と京男、京女をめぐる恋の行方をにぎやかに描く。

「祇園恋づくし」の一場面。京男の次郎八(右、中村鴈治郎)と江戸っ子の留五郎(左、松本幸四郎)=大阪市中央区の大阪松竹座ⓒ松竹

中村鴈治郎は京の茶道具屋の主人・次郎八と女房のおつぎ、幸四郎が江戸の指物師・留五郎と祇園の芸妓(げいこ)・染香と、それぞれ男女2役を演じ、京の人間と江戸っ子の気質の違いも浮かび上がる。何とも楽しい舞台となった。

7月24日まで。(亀岡典子)

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