(セ・リーグ、広島0-3阪神、14回戦、広島10勝2敗2分、19日、マツダ)先発ローテはく奪の可能性もあった助っ人が、土俵際で踏ん張った。ウィルカーソンが六回途中5安打無失点の粘投。5月27日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来、6試合ぶりの白星となる今季5勝目(4敗)を挙げた。
「うまく全部(の球種)を混ぜることができた。いい時もあれば、悪い時もある。波があるのも野球だと思うけど、うれしいですね」
17日までの巨人3連戦で27得点をたたき出した鯉打線を封じ込めて満面の笑みをみせた。一回、2死一塁からマクブルームを145キロの直球で空振り三振。二回は死球と安打で無死一、二塁されたが、失点は許さなかった。「梅野君が非常にいいリードをしてくれたのも大きかった」。3-0の六回には先頭の菊池涼に中前打を許したが、秋山を右飛、マクブルームを三ゴロに打ち取った。
直近5試合のうち3試合は五回持たず降板。「力みすぎていたというか、(右肩に)無駄な力が入っていた」と反省し、ブルペン投球でのフォーム固めに時間を割いた。ナインも驚く汗っかきで、この日は長袖のアンダーシャツで臨んだ。 「汗を止めたかったのでね。早く涼しくなってほしい」と笑ってごまかしたが、投球時に指先が汗でにじむうことを防ぐためのアイデアでもある。
先発予定だった前日18日が降雨中止となったD3位・桐敷(新潟医療福祉大)がこの日は中継ぎでブルペン待機。2軍では藤浪も先発要員としてスタンバイ。安穏としていられなかった中で結果を出したウィルカーソンは「今後もこんな勝つピッチングを続けられるように頑張りたい」。久しぶりにスポットライトを浴びて、胸を張った。(三木建次)