巨人は19日のヤクルト戦(神宮)で先発に勝ち頭の戸郷翔征投手(22)が5失点KOの背信投球で競り負け。21日のオーナー報告を前に1日で再び5位転落し、ファームでは新型コロナウイルスの集団感染が発生と、二重三重の苦しみにまみれた。
「すべてが反省です。点を取られた回は特に制球が甘くなり、打たれてしまいました。もう少し粘りたかったです」と悔しさをにじませた戸郷。相手先発の小沢は6月下旬に支配下登録されたばかりで、チーム勝ち頭で10勝目の懸かる戸郷は絶対に負けてはいけないマッチアップだったが、コロナ禍で6連敗中のヤクルトを救ってしまう最悪の展開となった。
この日は試合前からピリピリムード。2軍で体調不良者が続出し、チームの163人がPCR検査を受検。高橋優貴投手、ゼラス・ウィーラー内野手ら17人の選手、コーチ、スタッフの陽性判定が確認された。1軍でも感染者と同じジャイアンツ寮に入っている大勢、菊地大稀両投手は接触の疑いが払拭できないため、コロナ特例に基づき出場選手登録を抹消され、検査を受ける。結果次第ではさらなる離脱は免れない。
球団関係者は「寮で感染が広がった。昨日の段階で体調不良を訴えた選手がいたので寮から1軍に行っている選手はホテルに退避させていたが…」と想像以上の伝播力に無力感をにじませた。
19日に続き20日のイースタン・リーグ、ロッテ戦(ジャイアンツ球場)は中止。新外国人のイアン・クロール投手(31)=前パドレス傘下3A=は2試合で調整登板後に1軍合流の手はずだったが、「明日(20日)から合流すると思いますよ」(原監督)と1試合分の調整がなくなった。
さらに、腰痛のため2軍調整中の坂本勇人内野手(33)も2軍戦出場間近だったが「勇人は少し遅れているかな」と軌道修正を余儀なくされるなど、負のスパイラルに終わりが見えない。 (片岡将)