【ユージン(米オレゴン州)=小川寛太】陸上の世界選手権に出場している日本選手団で、新型コロナウイルスの陽性者が相次いでいる。19日までで選手、役員ら計15人が検査で陽性反応を示した。出国時に抗原検査で陰性を確認してきたものの、難しい対応を迫られている。
陽性判定が出た選手は6人。男子200メートルと400メートルリレーの欠場を余儀なくされた小池祐貴(住友電工)は19日、自身のツイッターに「普段日本で行っている対策は通用しませんでした」などと投稿した。18日に報道陣に対応した鎌田浩史ドクターは「危機的状況」と話した。
2月に行われた北京冬季五輪では、選手が毎日のPCR検査を求められるなど厳しく管理された。鎌田ドクターによると、今大会はPCR検査に細かい規定がないという。マスクも屋内での着用奨励にとどまる。徹底している選手団は日本などに限られ、新型コロナ対策に温度差がある。「選手団の中というより、さまざまな方面から感染が広がってきている」と、鎌田ドクターは見解を示した。
選手村は大学の寮を活用し、2~3人の相部屋が原則。感染拡大の抑制へ、日本陸連は世界陸連と協議して役員と選手を別棟にし、食事も別々にする対応をとった。選手を個室にする対策も始まっている。