観光庁の和田浩一長官は20日の定例記者会見で、訪日外国人観光客(インバウンド)の受け入れが部分的に解禁された6月10日から同月末までの入国者数は252人だったと発表した。7月1日以降の観光目的の入国希望者数は現時点で計1万4580人となり、現行の1日当たりの入国者数上限(2万人)すら大きく下回る状況で、なおも続く厳しい入国制限の影響が浮き彫りとなった。
インバウンド受け入れ再開後の入国状況について、和田氏は会見で「まだ再開の第一歩。7月以降は増えていくだろう」との見通しを示した。
観光庁によると、国が入国者に義務付けている入国者健康確認システム(ERFS)への事前登録者数は7月中が9057人、8月中が4333人、9月以降が1190人だった。
国別には多い順に、韓国6144人▽タイ2542人▽米国1302人▽インドネシア740人▽フランス585人-など。
日本政府観光局も同日、6月の訪日外国人旅行者数を12万400人(推計値)と発表。ただ、これはビジネス客や留学生、技能実習生らを含めた人数で、この日に観光庁が公表したデータがインバウンドの実態をより示している。
政府による新型コロナウイルスの水際対策を巡っては、入国者数の制限のほか、観光目的の入国を添乗員付き団体ツアー客に限定していたり、コロナ禍前は不要だったビザ取得を義務付けたり、主要国と比べて厳しい規制を課している。