松野博一官房長官は19日の記者会見で、林芳正外相が台湾の頼清徳(らい・せいとく)副総統を「ご指摘の人物」と表現したことについて「その場の会話、応答の流れの中での判断だと思う」と述べ、問題がないとの認識を示した。記者から「表現は適切だったか」と問われたのに対して答えた。
林氏は12日の記者会見で、安倍晋三元首相の葬儀に出席するために来日した頼氏の名前や肩書に触れず「人物」と表現。15日の会見で真意を問われ「頼氏の名前を挙げて質問があったので、それに応じる形で『ご指摘の人物』と述べたのみだ」と説明した。
これに対し、インターネット上では「失礼だ」などと批判が上がり、自民党からも「フォローになっていない。この答弁で納得する方はほとんどいないと思う」(佐藤正久外交部会長)と疑問視する声が出ている。
松野氏は19日の記者会見で、外国要人の名前を挙げた質問に政府側が「人物」と表現することは異例だとの指摘を受けたが「過去の対応の全てについて存じ上げているわけではない」と述べるにとどめた。その上で「外交青書などで台湾要人の肩書には言及してきている」と説明した。