将棋の藤井聡太棋聖(19)=竜王など5冠=は17日、名古屋市で指された第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第4局で永瀬拓矢王座(29)を下し、対戦成績3勝1敗でタイトルを防衛、3連覇を果たした。敗れた永瀬王座は終局後のインタビューで、「早い段階でかなり厳しくなってしまったかもしれない」と淡々と対局を振り返った。
順調に進んでいたようにも見えた午前中だったが、「形勢がいいかどうかわからなかった」。そして昼食休憩前後が局面の転換点と分析した。39手目に▲9七桂と指すと、藤井棋聖は昼食休憩をはさんで52分考え、△4五銀と応じた。
「押さえ込みにこられたとき、こちらがどのくらい駒をぶつけていけるかと思ったが、それが少し難しかったので9七桂は無理だったかもしれない」
その後は藤井棋聖に押される展開が続き、「もう少し勝機の残る形にしなければいけなかった」と反省の弁。さらにシリーズ全体でも、「先手番で1勝もすることできなかった。それが課題と思った」と冷静な中にも悔しさをにじませた。
終局後、藤井棋聖とともに大盤解説会場に姿をみせ、集まったファンらに「また藤井さんとタイトル戦ができるように頑張りたい」と再チャレンジを誓った。