将棋の藤井聡太棋聖(19)=竜王・王位・叡王・王将=に永瀬拓矢王座(29)が挑戦したタイトル戦「第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第4局が17日、名古屋市中区の万松寺で指され、後手の藤井棋聖が104手で勝って対戦成績3勝1敗でタイトルを防衛し、棋聖3連覇を達成した。
19日に20歳の誕生日を迎える藤井棋聖は、10代最後の対局となった棋聖戦第4局を白星で飾った。通算タイトル獲得数を9期に伸ばし、10代で歴代9位の記録を樹立した。
第4局は、藤井棋聖が序盤で歩を2枚駒損する間に、守りの要となる金を前線に投入するなどして攻めるスピードを優先。永瀬王座に持ち味を発揮させず、着実にポイントを挙げ、力強い指し回しで完勝した。
一方、棋聖戦2度目の挑戦だった永瀬王座は、第1局で先勝するなど一時ペースを握ったが、藤井棋聖の正確な指し回しに阻まれ、初奪取はならなかった。
藤井棋聖は令和2年の第91期棋聖戦で、いずれも史上最年少記録となる17歳10カ月と20日でタイトル初挑戦し、17歳11カ月で初獲得した。同年、2冠目の王位も獲得した。
3年の第92期棋聖戦では、18歳11カ月の史上最年少でタイトル防衛、九段昇段を達成した。同年度は叡王、竜王、王将も合わせ、最年少の19歳6カ月で5冠を手にした。今年度はすでに叡王を防衛。藤井棋聖は現在、王位戦も戦っており、2期連続で挑戦者となった豊島将之九段(32)を相手に、1勝1敗のタイとなっている。
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藤井棋聖の話「1局目と2局目は苦しい展開が続き、厳しいシリーズだった。しっかり振り返らなくてはいけないと思います」
永瀬王座の話「途中で厳しくなってしまったので、勝機の残る形にしなければならなかった。結果が出せなくて残念だ」
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