第104回全国高校野球選手権大会の出場を懸けた地方大会は16日、各地で行われ、群馬2回戦では利根商が桐生清桜に9-0の七回コールドゲームで勝ち、初戦を突破した。プロ注目の〝投打二刀流〟内田湘大内野手(3年)が、2ランを含む3安打3打点と活躍した。
目の覚めるような打球だった。六回裏2死二塁。4番・内田湘は、高さ約25メートルの左翼防球ネット上部に当たる推定飛距離120メートルの特大2ランを放ち「打撃練習の成果が出た。真っすぐが、ちょっと落ちた感じの球。今まででも、いいホームラン」と胸を張った。
プロ7球団が視察した中での高校通算35本塁打目だった。二回に右中間への三塁打、三回には左前適時打を放ち3安打3打点。五回はフェンス手前の中飛に終わったが、サイクル安打を期待させる躍動を見せた。
身長183センチの右打者は、投げても最速146キロを誇り〝投打二刀流〟で注目される逸材だ。この日の登板はなかったが、ヤクルト・丸山スカウトは「懐が深く、初戦の第1打席で引っ張らず丁寧に右中間へ。最後(の本塁打)は見せてくれた」と、その打撃を高く評価した。
長野・佐久市出身。小海中時代は硬式の群馬西毛ボーイズで野手兼投手を務めた。制球に課題があったが、利根商でも4番&投手として実力を発揮。今春の県大会で36年ぶり4強進出を果たしたチームを引っ張る。
1999年に桐生第一を日本一にし、2019年から指揮を執る福田監督は「堅いかなという感じだったが、うちのペースになった。内田はいい感じで、4打席目も打ってくれた。投げるのはもう少し先でしょう」とうなずいた。前橋育英、高崎健康福祉大高崎、桐生第一の〝群馬3強〟に割って入るべく、利根商が4番の活躍で好発進を果たした。(赤堀宏幸)