今冬電力逼迫、9基稼働も綱渡り 焦点はテロ対策工事

産経ニュース

今冬の電力需給逼迫(ひっぱく)対策として、岸田文雄首相は最大9基の原発稼働の方針を示したが、実際はなお綱渡りの状況だ。9基は東京電力福島第1原発事故後、原子力規制委員会の新規制基準での審査を通過して、再稼働済みの原発だが、テロ対策施設の完成が前提となる原発が含まれるからだ。テロ対策施設の工事の進捗(しんちょく)次第で、冬の再稼働に間に合わない可能性も残る。トラブル発生時には首相の政治判断で柔軟な対応ができるかも問われそうだ。

「きちんと冬に原発が運転できるように工事や検査に取り組みなさいという激励、叱咤(しった)だと思う」。15日の定例会見で、首相の方針について問われた電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)はこう答えた。

原発再稼働済みの電力各社は電力需要が特に高まる夏と冬に原発を動かせるように定期検査のスケジュールを組むことが多い。

今夏も13日に九電玄海4号機が発電を開始し、15日に関西電力大飯4号機の運転が再開。足元で稼働中の原発は6基まで増えた。今月下旬以降には関電高浜3号機、8月上旬には関電美浜3号機の運転再開が予定されている。

冬に向けては関電高浜4号機が10月下旬、関電大飯3号機が12月下旬、九電玄海3号機が来年1月下旬に、いずれも運転再開を予定する。

政府はこうした需要が高まる時期に合わせた原発の運転再開と老朽火力発電所の活用、節電要請を組み合わせて需給逼迫を乗り切りたい考えだ。

ただ、大飯3号機と玄海3号機の再稼働はテロ対策施設の完成が前提だ。

今夏は運転を再開した玄海4号機もテロ対策施設の工事が間に合わないため、9月上旬以降は運転停止となり、次に運転を再開するのは令和5年2月下旬の見込みとなっている。

テロ対策施設の工事をめぐっては、3年6月に再稼働した美浜3号機が当初の期限であった10月25日までに施設が完成せず、10月23日に運転を停止。玄海3、4号機も完成が当初の予定よりも約5カ月遅れると発表している。再稼働済みの他の原発でも施設の完成遅れから運転停止に追い込まれたケースもある。

来年1月は北海道と沖縄を除く東北から九州までの8電力管内で最も寒さが厳しい場合、電力需要に対する供給余力を示す「供給予備率」は1%台で、安定供給に必要な3%に達していない危機的状況だ。冬に原発の再稼働が遅れれば、大規模な停電発生などにもつながりかねない。

平成24年には当時の野田佳彦政権が電力需給逼迫を受け大飯3、4号機の再稼働を決定したこともあり、トラブルで需給がさらに逼迫する状況になれば、岸田首相が原発の再稼働に関して、〝政治判断〟を求められる可能性もありそうだ。(永田岳彦)

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