バイデン氏がインフレ対策外交に躍起 中間選挙控え

産経ニュース
サウジアラビア・ジッダの空港に到着したバイデン米大統領(手前左)=15日(国営サウジ通信提供・ロイター=共同)
サウジアラビア・ジッダの空港に到着したバイデン米大統領(手前左)=15日(国営サウジ通信提供・ロイター=共同)

バイデン米大統領が中東歴訪で「再関与」を打ち出したのは、中国やロシアとの競争に備える一方で、国内の急速なインフレへの対処としてサウジアラビアなど湾岸アラブ産油国の協力を取り付けるためだ。このほか、バイデン政権が対中関税の一部を月内にも撤廃するとの観測も強まっている。11月の中間選挙に向けて支持率低迷に苦しむ中、インフレ対策につながる外交成果を挙げようと躍起だ。

「米国への石油供給を増やすためにできることはすべてやっている」。15日の記者会見で米国内のガソリン価格高騰について質問が及ぶと、バイデン氏はやや気色ばんでこう強調した。

バイデン氏の支持率は各種世論調査で4割を下回る低空飛行を続けている。13日に発表された6月の米消費者物価指数は、前年同月比で約40年半ぶりとなる9・1%の上昇となり、インフレの加速に歯止めがかかっていない。このまま11月に中間選挙を迎え与党・民主党が敗北すれば、政権はレームダック(死に体)化する恐れもある。

バイデン氏が今回の訪問で、「嫌われ者」と非難してきたサウジとの和解を演出したことについて、米議会などでは人権問題の視点から疑問を呈する声が出ている。批判が予想された中でバイデン氏が訪問に踏み切ったのは、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてサウジの地政学上の重要性が高まっている現実と、物価抑制に向けた取り組みが必要だとの焦りからだ。

バイデン政権は現在、トランプ前政権が発動した対中関税の一部を月内にも撤廃し、中国の習近平国家主席との首脳会談を実現する方向で調整を進めているとみられている。これも、経済界からの圧力を受けて物価の抑制効果を狙ったものだとの指摘は根強い。

バイデン氏が「戦略的ライバル」とする中国との長期的な競争を最重要課題としていることに変わりはない。15日の記者会見では、中露の伸長を阻止するために「中東を空白地帯にはしない」と語った。だがその一方で、自身が外交の中心理念とする人権や民主主義などの価値観では一定の妥協を強いられているのが現実だ。

他方、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子側も大きな利益を引き出した。会談の形式についてホワイトハウスは当初、バイデン氏とサルマン国王の会談に皇太子が同席するとの見通しを示していた。しかし訪問直前で、これとは別にバイデン氏ら米側と皇太子をトップとするサウジ側代表との実務会談が設定され、皇太子はバイデン氏とほぼ同格の立場であることを内外に誇示。王位継承に向けて地位をいっそう強固にした。(ジッダ 大内清)


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