【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビア西部ジッダで16日、サウジなどペルシャ湾岸6カ国の「湾岸協力会議」(GCC)にエジプト、ヨルダン、イラクを含む9カ国の首脳会合が開かれた。現地入りしたバイデン米大統領も参加し、「米国が立ち去って中国やロシア、イランがその空白を埋めるようなことはしない」と述べ、中東地域に関与し続けると強調した。
バイデン氏はイスラエル訪問中に続き、イランの核保有は許さないと言明。また、「米国は常に人権擁護を推進する」と述べた。2018年に反体制記者殺害事件を起こしたサウジが念頭にあるとみられる。
また、バイデン氏は「この数カ月間、石油生産がどう変化するか楽しみに見守る」と述べ、ロシアのウクライナ侵攻で高値が続く石油市場の安定に期待を示した。「GCC+3」と呼ばれる今回の会合には、サウジやイラクのほかアラブ首長国連邦(UAE)など石油輸出国機構(OPEC)の加盟国が参加しており、バイデン氏は関係国に増産を働きかけたもよう。
OPEC加盟国と非加盟のロシアなどの連合体「OPECプラス」は8月上旬に次回会合を予定している。バイデン氏は16日にサウジを出発、帰国の途に就く。