沈黙を破り、吉川赳衆院議員=比例東海=が15日夜、自らのブログを更新し、18歳の女子学生に飲酒させたなどと週刊誌に報じられた問題について釈明した。学生が飲酒させてはいけない年齢との認識はないとして、週刊誌報道の在り方について疑義を提起し法廷闘争も辞さない姿勢を示したが、辞職を求めてきた地元・静岡県内の支援者らに触れた言葉はなく、人々は背信行為に憤りを隠し切れない様子だ。
長文のブログには、女性から「18歳」と聞かされたものの、顔を合わせた5月25日に「酒を提供するチェーン店のクラブ従業員として勤務し、お酒を飲んでいた」ことから「飲酒できない年齢であると疑うことは難しい」と釈明。2日後の27日に焼肉屋の個室で女性と飲酒し、その後、現金4万円を渡したことを認めたが、「女性の方からお店を休んで二人で過ごすことを希望したので、給与を補填すべきと考えた」と説明。週刊誌報道が触れた、ホテルに一緒に行ったかどうかには言及していない。
6月上旬に疑惑を報じられて以降、公の場だけでなく支援者らにすら何も説明はなく、ブログについても事前連絡はなかった。長年支援してきた自民県連関係者が特に憤るのは、吉川氏が女性と出会った日や、その後に飲食をともにしたとする日付が、いずれも参院選に向けた集会が県内で開かれていた日という点だ。5月25日は静岡選挙区で党公認で出馬した若林洋平氏の支援集会、27日は吉川氏が関係する福祉業界の比例代表候補本人が県内に入り、地方議員や支援者らも複数出席していたという。ある県連関係者は「報道が事実と違うとかいう説明以前に、みんなが必死に活動していた最中。そもそもの行動が情けない。みなさんに申し訳ない」と涙ぐむ。
吉川氏はブログで、説明が遅れた理由を「参院選が終わるまでは沈黙を守り、選挙後速やかにご説明申し上げるつもりでおりました」と選挙を第一に考えたと記している。
吉川氏の事務所がある富士市内の支援者は「切ない」と悲しげに言う。「間違ったことをしていないと思うならなぜ身内に説明していないのか。支えてくれる人々を思う気持ちもなくて、どうやって政治家を続けていくというのか」