市長解散の東京・あきる野市議選告示へ 再度不信任の可能性も

産経ニュース
東京都あきる野市の村木英幸市長=6月、同市役所
東京都あきる野市の村木英幸市長=6月、同市役所

東京都あきる野市の村木英幸市長が市議会を解散したことに伴う市議選(定数21)は、17日に告示される。条例に定められた手続きを経ずに特別養護老人ホームを整備しようとした村木氏に市議らが反発、市長不信任決議を受けた今回の解散と議員選。選挙後の市議会で再び不信任決議が可決されれば、市長選も任期途中で行われる事態となり、市政の停滞も懸念される。

市議選に立候補を表明しているのは24人で、そのうち前職は19人。市政関係者は「選挙後の議会でも不信任決議が可決される公算は極めて高い」と話す。

6月の不信任決議の発端となった特養の整備は、村木氏が初当選した令和元年の市長選で掲げた公約の一つ。条例では施設開設には議会の承認が必要とされ、議会は特養整備に関する特別委員会を設けて開設の可否を議論していた。

だが、村木氏は条例の規定を「執行権の侵害だ」と主張し、市の広報紙を使って運営事業者の募集を始めた。こうした村木氏の言動や動きに市議から「議会軽視」との批判が高まった。

市長周辺の関係者は「特養の開設は高齢化が進むあきる野市では必要。早く事業に取り掛からないと都からの交付金を受け取れず、市民の負担が増す」などと整備を急ぐ理由を説明。また、村木氏は自民、公明が推薦した現職を僅差で破って当選しており、別の関係者は「議会少数派の支持を受けて当選した村木氏への感情的なもつれが対立の背景にある」と指摘する。

6月定例会に提出された不信任決議案は、議員21人のうち当時の議長や市長与党の会派議員を含む20人の賛成多数で可決した。地方自治法では、不信任決議を受けた市長は10日以内に議会を解散しなければ失職する。村木氏は「政策への理解を頂けなかったことは、大変残念。納得できるものではない」などとコメントし、6月23日に議会の解散を選択。議会と市長の対立は決定的となった。

市議の一人は「議員の大多数がノーを突き付けた意味の重さを考えれば、市長自らが辞職し、再び選挙に出て市民の審判を受けるべきだった」と話す。不信任決議に賛同した市議らは解散直後、選挙後の議会でも市長に対する姿勢を変えない意向を示した。

議会で2度目の不信任決議を突き付けられた場合、村木氏は自動的に失職し、市長選が行われる。前議長の中嶋博幸氏は市議選への立候補を見送り、事実上、市長選への出馬の意向を示している。

市政の停滞も懸念される中で、自営業の女性(52)は「あきる野市は、ただでさえお金がなく、まちの活性化など課題は多い。早く市民のために働いてほしい」と不満をもらした。

市議選の投開票は7月24日。選挙人名簿登録者数は6万7366人(6月21日現在)。

(末崎慎太郎)

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