織田信長に攻められ、小谷(おだに)城(滋賀県長浜市)で自刃した戦国武将、浅井(あざい)長政の450回忌特別展「浅井長政と菩提寺(ぼだいじ)・養源院(ようげんいん)―浅井三代の興亡と江戸時代へ続く浅井氏の系譜―」が15日、長浜城歴史博物館(同市公園町)で始まる。小谷城に近い小谷城戦国歴史資料館(同市小谷郡上町)と浅井歴史民俗資料館(同市大依町)でも、ゆかりの品々を紹介する特別展が13日から開かれており、それぞれ一級資料から浅井氏をめぐる戦国ドラマが体感できる。いずれも9月5日まで。
国内屈指の山城として戦国ファンの人気を集める小谷城を居城に、北近江(長浜市、米原市)を支配した浅井家の3代長政は、信長の妹のお市の方と結婚し、茶々、初、江(ごう)の浅井三姉妹が生まれた。天正元(1573)年9月、小谷城の落城とともに長政は自刃するが、市と幼少の三姉妹は落ち延び、後に茶々は豊臣秀吉の側室に、初は京極高次の正室に、江は2代将軍、徳川秀忠の正室となる。
長浜城歴史博物館では、淀(茶々)が父・長政の菩提(ぼだい)を弔うために建立した養源院(京都市東山区)に伝来する資料を中心に浅井三代の興亡を紹介。なかでも注目されるのが、養源院本堂の宝塔内に安置され、浅井家の女性に受け継がれてきたとされる寺外初公開の念持仏の「弁才天像」だ。